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Atelier de オジィ

ひろオジィの作業小屋雑記帖 

貧脚の力

おそらく根拠もなく、誰かに論理的に突っ込まれればあっさり撤回せざるを得ないような事ではあるが、自分としては「言いたくない」「好きではない」言い回しというものがある。

文脈、とか。○○の文脈で言うと~

~力 とか。(ka ではなく ちから・りょく です)

以前一時期流行った、○○の品格、という一連の本のタイトルにより、(自分の中で)「品格」という単語のそれこそ格が下がった。その頃は自転車乗りでもある知人のツイッターなどで見かける「貧脚」という言い方が可笑しくて、読むたびに「国家の貧脚」などともじって面白がってはいたが。(ということで本日の記事タイトルに用いたがたぶん本文と関係ない)

「力」シリーズ(?)は私の知る限り昨年までは健在で何冊も本が出されていた(ようだ)。いかに著名な方の本であろうと、タイトルを一瞥するだけであったが、昨年6月に集英社新書から出た篠田桃紅さんの本のタイトルがまさかの「百歳の力」!そしてその帯には篠田さんのお写真に並んでキャッチコピーがあまり上品とはいえない字体でデカデカと「成熟なんて退屈よ!」

一体何事かと思ったが、心から敬愛してやまない篠田さんの本だからすぐに買った。

「聞き手」(インタビュアー)の質問があるわけではないが、若い頃から最近の心境まで、既にご自身のエッセイ等で既知の内容も多く含まれるがともかく最近の心境を込めて、問いかけに応えるようなかたちで、すなわち話し言葉を記述した風に書かれている。

一読、再読していつもの篠田さんの文章を読むときと同じく、ちょっと笑ったり考え込んだりうなずいたりしながら読んだ。

しかしここからどうして「百歳の力」などというタイトルをつけることができるのだろう。

90歳、100歳を迎え、過ぎつつあるご自身の年齢には時折触れられるが、結局は年齢というものをあまり考えたことがないし関係がない、とご本人がいっておられるではないか。表紙(カバー)裏の紹介文にも「人生というものをトシで決めたことはない」との言葉が引用されているではないか。

小さな事ではあるが、この本のなかで篠田さんの言葉として「真逆」というのが出てくる。これも有り得ないのではないか?「真逆」はおそらく最近から聞くようになった言い方で、篠田さんが「正反対」と言われたことを聞き手がこう書いてしまったものだと推測している。

この本の最後あたりに、構成 として女性の名前が記されている。この方がかつてのエッセイやインタビューからこの本を構成、編集したということだろう。確かに篠田さんのこれまでの経歴を俯瞰しながら上手く構成されているとは思うが、まさかこのタイトルがその編集者からのものであれば理解できない。本屋さん(集英社新書)が流行りを取り入れたつもりで付けたタイトルだろうがそうであれば編集者は反対したはずだと思う。(たぶん篠田さんご自身は、タイトルや帯についてまで注文を出したりされなかったのであろう)

思えば、前回の単行本「桃紅百年」(2013年3月)が出た時に、表紙があまりにポップ(?)で驚き、たぶん編集から装丁を含め編集者にお任せされているんだろうと思った。「書家」ですからそれで大いに結構で、ともかくも新しいエッセイを読めることの喜びには代えられない。
しかしこの本で全編に用いられたフォントは、私ならばこれを選ばないだろう。

桃紅百年のフォント

フォントとか装丁でミソをつけるつもりはないし、篠田さんのエッセイはそんなことでミソがつくようなものではないのは言うまでもない。
今日記した2冊の本は、これまでの篠田さんの本と同様、私にとってとても大切な本であると改めて言っておきます。「大切な本」はその本(本体)自体も大切だ、とか言っている私には当面電子書籍には縁が無いかもしれませんね・・・

篠田さんの近著2冊表紙

    23:26 | Trackback : 0 | Comment : 0 | Top
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